2019.9.1
石上学長と行く第3回ロシア医療視察交流記
その他
シニアカレッジ新潟 学長 石上
3年連続でロシア・ハバロフスクにある極東医科大学へ医療視察交流を行いました。その結果を報告いたします。 参加者はシニアカレッジ新潟から荻原夫妻、藤田さん、草間さん親子、林さん、山崎さん、菅さんの8人、それに医療福祉大学の教員2人、旅行社の田村さんの合計11人の大世帯で、日時は令和元年7月23日から7月27日までの4泊5日、新潟空港からロシアへの直行臨時便(ヤクーツク航空)を利用しました。初日は極東の玄関ウラジオストックに到着し、翌日はウラジオストック市内観光を満喫し、24日夜にはシベリア鉄道に乗車し、夜中の街明かり、朝方のどこまでも続く白樺の群生と湿地帯の交互に現れる車窓からの眺めは最高でした。
25日は早朝にハバロフスク駅に到着し早速市内観光に出かけたのですが、生憎の雨。しかも寒い。世界で11番目の長さを誇るアムール川鉄橋を渡るも、雨で視界が悪く全容がわからず仕舞いで残念でした。それでも多くの市民が買い物にいく市民市場を見学したり、ハバロフスク市の民族歴史博物館を見学し、ロシアという国のスケールの大きさに感動しました。
26日はいよいよ本番です。極東医科大学のジェメレネツキ学長、リザンキナ副学長、アンドレイ副学長らの先生方から熱烈歓迎を受けたあと、リザンキナ副学長から「ロシアの母子保健・子どもは国の宝」と題する特別講義を受講しました。ロシアの合計特殊出生率(一人の女性が生涯にわたって産む子供の数を示す)が、2005年には日本の1.39よりも低い1.29であったため、少子化対策を国の重要施策として位置づけ、両親手当の支給増額や保育所の整備、父親手当を新たに支給すること、母親が仕事を継続してできるような施策を次々に展開したそうです。その結果、2015年には合計特殊出生率は増え1.75までに増加したとの報告がありました。これは「子供は国の宝」とする国家政策として打ち出し大幅な財政支出に裏打ちされた対策が功を奏し年々成果が挙げられていると強調されことが極めて印象に残りました。歯止めのかからないわが国の少子化の現状を見るとき、ロシアの国を挙げての対策に学ぶべきことが大いにあると考えさせられました。
午後からは「臨床リハビリテーションセンター」の視察に行きました。ミハイルニコライ院長の案内で、リハビリの各部門の説明をしていただきました。ここは入院施設はなくハバロフスク市内や近郊からリハビリに通院して来ており、わが国と共通するリハビリ機器も備わっていましたがロシア独自と思われるものもあり、参加者も説明に食い入るように聞いていました。
11人がお互いに助け合いながら多くのことを学ぶことができた素晴らしい医療視察交流でした。また、帰りの飛行機には花角英世新潟県知事や県職員の皆さんも同乗されており、楽しい旅だったことを合わせて報告いたします。
シベリア鉄道の始発駅・ウラジオストック駅
ハバロフスク郷土歴史博物館入口・マンモス像の前
極東医科大学ジェメレネツキ学長、リザンキナ副学長、アンドレイ副学長など皆さんから熱烈歓迎を受ける
リザンキナ副学長からの特別講義「ロシアの母子保健・子どもは国の宝」を受講
極東医科大学の先生方と訪問団
臨床リハビリテーションセンター・ミハイルニコライ院長の説明を受ける訪問団
日本人墓地に参拝
シニアカレッジ新潟学長 石上和男